裁判を勧めるかどうか - じょうばん法律事務所 弁護士のブログ<茨城県取手市> 詐欺サイトと日々戦っています。
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裁判を勧めるかどうか

最近の仕事の悩みの1つが、裁判することを積極的に勧めるべきかという点です。

紛争相手が、金銭の支払等を拒んでいるとしたら、裁判等の手続で強制的に支払わせる必要が出てきます。
だから弁護士としては「どうしても払わせたいなら裁判しかない。」といった回答になります。

ただ、裁判は勝てる案件でも相当なストレスがかかりますし、
裁判をせずに納得できる(裁判をするストレス>裁判に勝った満足)という場合には、
裁判をしなかった方がよかった、となります。

ただ、これまでの法律相談の中に、
・15年前の件が納得いかない。
といったように、どうがんばっても時効の壁にぶつかる案件が多くありました。

こういう相談が多くあるということは、やっぱり裁判をせずに戦わなかった場合には後悔することが多いのだと思います。
そして、着手金以上に回収できなければ、裁判をしたことでかえって金銭的にはマイナスになってしまうわけですが、
そもそも裁判をしないまま過ごすというもやもや感も、それはそれで結構なストレスなんじゃないかと思うわけです。

よく「裁判に勝っても、相手に払う能力がなければ意味がない。」といったことも聞かれますが、
私の今までの手応えとしてはなんだかんだでプラスになることが多いという感触です。

というわけで、今まではあまり裁判を積極的に勧めることはなかったのですが、今後は少しくらいプッシュしてみてもいいのかな~と迷っています。

今まで受任した案件で、印象に残っているものを2つ。


1 犯罪被害に遭って、加害者に慰謝料を請求したい。

加害者にお金はありません。典型的な「ない袖は振れない」状態。
裁判をすれば勝てますが、回収はできません。
このようなリスクをしっかりと説明した上で、受任。
勝訴はしましたが、1円も回収できませんでした。
この案件の依頼者様は、弁護士費用だけ払って、1円も回収できなかったことになります。

それでも「やってよかった。」と言っていただきました。
泣き寝入るということだけは受け入れたくなかったのでしょう。

お金の問題じゃなく、加害者と対峙することができたという満足感があったように思います。
裁判をしている最中も、やりたいことをやっているんだという想いからか、
そこまで思い詰めている印象はありませんでした。

2 裁判をすれば400万円程度回収できそうだが・・・

とある理由で、相手に対して400万円程度の債権を持っていました。
相手は、高収入で地位のある職業。
年齢からいっても一括払いを受けられたと思います。
ただ、支払う態度は見せていないので裁判は必須。
証拠もあるので、高確率で勝てたと思います。
しかし、このケースの相談者様は「やりたくない。」と。

実はこの方、全く別の件で民事裁判を経験しています。
このときに非常に疲れたそうです。
だからもうやりたくない、お金くらい簡単に諦められる、と。

ただ、この2のケースに関して言えば、相手との感情的対立は浅く、許す気になれる関係だったのも大きいと思います。


途中から何を言いたいのかわからなくなってきましたが、
結局は、
・相手と戦う意思があるかどうか
が重要であり、金銭的な利得喪失は二の次なのかな~と思うようになってきてます。

今、弁護士に依頼して、裁判をしようかどうか迷っている方も「諦めて時効で請求できなくなったときに、後悔しないか」という点をよく考えてみてください。
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